お客様 事例
2019年07月26日
遺言書(連名で作成することの可否)
東京都江戸川区一之江のお客様の事例
子供がいないご夫婦の方より、「それぞれ相手方に遺言を遺したい」というご相談を受けました。
そのご夫婦は、それぞれの兄弟姉妹の方とあまりお付き合いがなく、「相続開始後に遺産分割協議をすることは避けたい」とのことでした。
私がそれぞれの遺言書の種類のメリット・デメリットをご説明したら、ご夫婦は自筆証書遺言を選択されました。(自筆証書遺言は相続開始後に検認の手続きが必要なのですが、それは構わないそうです。)
遺言の内容としては「自分のすべての財産を相手方に相続する。」、「遺言執行者は相手方とする。」というものでした。
そこで、ご夫婦より次のご質問を受けました。
「遺言書を連名にして一つにまとめられますか?」
遺言の内容がほとんど同じ場合には、遺言書を連名で書いて一つにまとめたくなるお気持ちはわかりますが、連名による遺言書は無効とされています。
また、この事例の場合、一方が亡くなり遺言の効力が発生すると、もう一方の遺言は相手方がいなくなり効力が無くなります。(もう一方が亡くなったときに、既に亡くなっている相手方の兄弟姉妹に相続されるわけではありません。)
遺言は一度書いても後で内容を変更することができますし、取消しをすることもできます。相続人間の争いになることを避けるためにも、このご夫婦のように早めに対策を取っておくことは大切だと思います。